梅ヶ谷藤太郎　二行書

梅ヶ谷藤太郎は大相撲の力士の四股名で、明治初期に活躍した第15代横綱です。
本名は小江藤太郎。赤子の頃から石臼を引き摺るほどの怪童で、母乳や菓子より酒を欲しがったため、酒で育てられたというエピソードがあります。
7歳で大坂相撲に引き取られて「梅ヶ枝」を名乗りますが、その後に湊部屋へ入門と同時に四股名を、故郷・志波村梅ヶ谷に因んで「梅ヶ谷」としました。
明治天皇の天覧相撲では、伊藤博文が用意したまわし（自前のまわしが間に合わなかったといいます）で土俵入りを披露しました。土俵入り後、明治天皇のリクエストで大達羽左エ門との割が組まれたが大熱戦の末に引き分けとなって天皇は大喜び、明治維新で低迷していた相撲人気も回復しました。1885年5月場所を最後に引退し、年寄・雷を襲名しました。
還暦が長生きの基準だった時代の力士としては非常な長命で、横綱の長寿記録として現在でもまだ破られていません。