木村武山　武士

木村武山は茨城県出身の日本画家です。本名は信太郎といい明治から昭和前期に活躍しました。
天真社で川端玉章に師事し、東京美術学校(現在の東京芸大)で同校教授の下村観山の強い影響を受け、以後画家としての人生を観山と共に歩むことになります。日本美術院の結成に加わり、谷中初音町の八軒家に観山や大観と共に住み、朦朧体への批判で世評が厳しくなった美術院を支える中心作家としての立場が明快になっていきます。
優れた技巧、色彩感覚を生かした壮麗な花鳥画・仏画を出品し、その中心画家として活躍しました。代表作に「阿房劫火」「孔雀明王」等があります。
武山は「仏画の武山」と称されるほど、仏画に優れていました。
高野山金堂壁画を初め、晩年には大日堂の壁画に情熱を捧げ、昭和１２年に脳溢血で倒れた後も、左手で描き続けましたが、完成を見ずに６７歳で死去しました。